【台湾原住民族の暮らし、伝統】「路(ルウ) ~ 台湾エクスプレス ~」

台湾 豊年祭

日台共同制作ドラマ「路(ルウ) ~ 台湾エクスプレス ~」の第二回の放送では、主人公の多田春香が、同僚の台湾人林芳慧の花蓮にある実家を訪れるシーンがあります。

そうした中で原住民族、アミ族の盛大な祭り、豊年祭の様子も放送されました。
今回は台湾のことを知るにあたっては欠かすことのできない「原住民族」の方々について、そしてさらにその中のアミ族について紹介をします。

まず最初に歴史をさかのぼってみます。台湾は17世紀以降、中国大陸からの漢民族の移住が始まりました。
特に、台湾海峡を隔てた福建省、広東省からの人の流入が多く、台南付近から始まった開発は2世紀をかけて北上していき、19世紀に入ると本格的に台北付近までが開発されていきました。
そして今は台湾の人口約2,300万人のうち、大きく分けて約98%が漢民族となっています。

そしてその他の約2%が、原住民族と言われ、17世紀よりも以前古くから台湾で生活をしてきたルーツをもつ方々です。
例えば日本ではアイヌ民族の方々など先住民と呼ばれますが、台湾では先住民というのはすでに滅んでしまった民族という意味となってしまいます。
「原住民族」は、元々居住していた民族という意味を指しますので、台湾では差別的な意味を持たず公式的に使用されています 。
日本では原住民ではなく、先住民という言葉を使いますので、言葉の使われ方は逆となるイメージです。

日本でも知られているビビアン・スーさんですが、お母さんは原住民族のタイヤル族の方で、ビビアン・スーさん自身はタイヤル族と漢民族のハーフとして知られています。

また、山岳地帯に住む原住民は日本統治時代には「高砂族(たかさごぞく)」と呼ばれていました。

現在台湾で認められている原住民族は16族があり、台湾の中央〜東部を中心に暮らしています。
本来それぞれが異なった言語、慣習をもっていますが、現代では種族の同化が進んでおり文化保存の面では問題に直面しているとも言えます。

そして2015年時点では人口順で下記となっています。
1.アミ族  202,108人
2.パイワン族  97,078人
3.タイヤル族  86,523人
4.ブヌン族  56,447人
5.タロコ族  30,014人
6.プユマ族  13,520人
7.ルカイ族  12,913人
8.セデック族  9,235人
9.ツォウ族  6,688人
10.サイシャット族  6,459 人
11.タオ族  4,452人
12.クバラン族  1,394人
13.サキザヤ族  858 人
14.サオ族  764人
15.サアロア族  245人
16.カナカナブ族  234人

アミ族

原住民族の中でも一番多いのが、今回のドラマ「路(ルウ) ~ 台湾エクスプレス ~」でも紹介されたアミ族です。
アミ族の居住地域は、上の図にあるように台湾の東部一帯である花蓮県、台東県、屏東県にわたる広い範囲になります。
日本の読売ジャイアンツで活躍する陽岱鋼選手はアミ族の出身で、台湾でも非常に有名な選手です。

アミ族の特徴は母系社会であり、家業や財産も長男ではなく、長女が受け継ぐということとなっています。
母親は太陽として称され、伝統的な衣装は明るい赤色を中心に、花の冠などもその太陽を表しています。

豊年祭

アミ族は普段は現代化された暮らしをしている人々ですが、豊年祭のときだけは伝統的な衣装を着て、竹や葉で作られた器で食事をとります。
また、料理も野草やイノシシの肉などが使われ、伝統的な調理法で作られます。
基本的には台東県では7月に開催され、徐々に北上し、花蓮県では8月に開催がされます。
豊年祭は、故郷を離れたアミ族の若い人々にとってもアイデンティティを感じられる日でありながらも、今では台湾各地からその伝統を見に観光客が訪れるイベントともなっています。

今年は新型コロナの影響で、夏の時期での台湾観光は残念ながら叶いそうにありませんが、毎年開催される伝統的な催しですので、ぜひ来年以降で時期をあわせて訪れてみるのも良いかもしれません。
観光や食だけでない、伝統というディープな台湾にもぜひ迫ってみてください。